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ホリデーシーズンと税務について 2017/12/04

会計税務情報 ~基礎編~ 2017年12月号
永野森田米国公認会計士事務所

 

 

ホリデーシーズンには、会社などの雇用主が従業員に対し日ごろの労働に対しての感謝を示す意味で、ホリデーギフトなどを渡したり、クリスマスパーティや忘年会を開催する場合もあります。従業員にとっては嬉しいものですが、その恩恵が思いがけず個人の所得税の対象になる場合もあり、また雇用主にとっては、これらが会社の経費として法人税務申告する際に控除対象となるのかどうかなど、その税務上の扱いは気になるところです。今回は、会計税務情報の「基礎編」として、これらが連邦の税法にてどう扱われるかを述べて行きたいと思います。

 

 

  • 1. ホリデーギフト 現物支給の場合

会社などの雇用主がクリスマスシーズンになると、ターキー、ハム、ワイン、チョコレートやナッツバスケットなどのギフト(現金以外の現物)を従業員にホリデーギフトとして渡す場合があります。この場合、そのギフトの価格が適正市場価格の範囲内であり、またIRSにてDe Minimis (重要性が低い、小額)であると認められる価格である場合は、そのギフトを受け取った従業員側は非課税となり、個人の給与として扱われ所得税の対象になる事はありません。IRSが幾らまでDe Minimis Benefitとして認識するかは税法でははっきり明記おりませんが、過去の判例においては、1人当たり約 $75 ~ $100 以下が妥当と判断されているケースが見受けられます。しかしそれらを支給した雇用主側は、受け取った従業員1人辺り$25までしか、これらギフトのコストを経費として税務上控除を取ることは出来ないという制限が掛かります。

 

 

  • 2. ホリデーギフト 現金支給の場合

会社などの雇用主が従業員に対して、現金やギフト券など現金の代わりとして使用出来るものをホリデーギフトとして支給した場合は、それらを受け取った従業員側は給与の一部として扱われ全額課税対象となります。 しかし支給した雇用主側は、上記の現物支給の時の様な1人辺り$25の制限を受ける事なく、支給額を全額経費として税務上控除する事が出来ます。

 

 

  • 3. クリスマスパーティなどの場合

雇用主が従業員に向けて、クリスマスパーティや忘年会などを開催する場合、これらのイベントに参加する従業員側は、上記1番、2番の様なギフトを受け取らない限り、特に個人の所得税に対し、課税の心配をする必要はありません。しかし雇用主側がこれらのイベントに掛かる費用を全額税務上控除の対象とする為には、いくつかの規定の条件を満たす必要があります。まずは、そのイベントには従業員全員を招待していなくてはいけません。例えば一定の役職以上、又は良い営業成績を収めた従業員のみを招待などと制限を設けた場合は、税務上全額控除の対象外となってしまいます。またそのイベントの参加者には従業員の家族(配偶者やパートナー)は認められますが、例えば社外からの参加者(取引先の業者や顧客など)が含まれている場合は、このイベントに掛かった費用の中で社外からの参加者に掛かった費用分は、接待的要素があるとされ、税務上、交際費として扱われ、50%までしか控除が認められないという制限が掛かります。更に全額控除対象とする為には、イベント費用が適正な金額である(税務当局が浪費と認めるような常識以上の贅沢なものではない)事があげられます。 また、一般的な経費として控除を認められる条件と同じく、イベントの内容や支払い内容などの記録書類を管理する義務もあります。

 

上記の様に、社内のホリデーギフトやパーティなどのイベントに掛かる費用は、雇用主から従業員への支給の形態やイベントの内容やその参加者により、従業員の個人所得税の対象となるか否か、又は雇用主の税務上の控除が認められる範囲などが変わってきます。後に雇用主側も従業員側からも不満などが出てこないよう、事前に税法の把握が必要となります。

 

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