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2014年米国個人税務アップデート 2015/02/04

会計税務情報2015年2月号
永野森田会計士事務所

2014年米国個人税務アップデート

現在、アメリカでは個人所得税の申告期限(4月15日)に向けてタックス・シーズンの真っ最中である。オバマケアに規定された保険非加入のペナルティーや、反対に所得が一定以下でオバマケアに加入したことによるタックス・クレジット等、今タックス・シーズンの論点は、やはり2014年から本格化したオバマケア関連に集中している。そうした中、日本から派遣された米国駐在員は、ペナルティー対象かどうか危惧されてきたが、先日、在米日本大使館がアメリカ政府の見解を明らかにした。その見解に加えてアメリカの個人所得税の改正点を概説する。

 

1.駐在員のオバマケア・ペナルティー

日本から派遣された米国駐在員は、アメリカで販売されている健康保険に加入していない場合、オバマケアによるペナルティーの対象となるかどうかが、いまいち分からなかった。当ニュースレター2014年1月号及び2013年11月号でも言及しており、日本から引き継がれてきた健康保険の取り扱いについては、日米両政府間から正式は説明はなかった。

そこで今年に入り、在米日本大使館は、アメリカ政府との見解を発表した(下記参考リンク)。それによると、2014年から対象となるオバマケアに規定される保険非加入のペナルティー(Shared Responsibility Payment)に関しては、以下ように一定のオバマケアに定める基準(Minimum Essential Coverage)を満たす日本の健康保険については、オバマケアのペナルティーを免除されることになった。

<ペナルティー免除の保険>
健康保険組合(健保組合、大企業サラリーマンの保険)
共済組合(公務員の保険)

今後、政府間内で検討されるが、現時点においては全国健康保険協会(協会けんぽ、中小企業サラリーマンの保険等)の保持ではペナルティーの対象となる。民間の海外旅行者保険は、日本大使館は触れていないため、オバマケアの条件を満たしていないと解釈し、ペナルティーの対象となる。さらに国民健康保険(市町村の運営する所謂、国保)については、日本国外に長期間居住した場合は、原則として,被保険者資格を喪失することになるとの説明があるだけである。

(参考リンク)
日本大使館1月30日掲示内容
日本大使館2月13日掲示内容

<連邦フォームにおけるペナルティー免除の記載>
通年健康保険を保持していた個人は、Form 1040上のLine 61 Health Care Full-year coverageにチェックマークを入れる。その際、健保組合や共済組合の証拠書類は、Form 1040に添付する必要はない。

<Shared Responsibility Payment(SRP)の金額>
Shared Responsibility Paymentとは、ペナルティー・タックスの正式名称である。2014年から開始され、2016年まで毎年増額される。具体的には、個人の所得税申告書上のワークシート(Shared Responsibility Payment Worksheet)にて計算される。2014年のペナルティーの計算には世帯収入(調整後総所得ではない)と納税者の申告資格によって計算される。

A)下記a)またはb)のいずれか大きいほう

a) 世帯収入の1%

b) 固定金額 - 大人一人当たり$95、子供一人当たり$47.50, 家族で最高月々$285

B) ペナルティーは連邦政府及び州政府が提供するブロンズプランの費用が最高金額となる
(2014年度のブロンズプランは個人$2,448、 5人以上の家族の場合は家族$12,240)

所得税の還付金があり且つ健康保険を所持せずペナルティーを支払わなければいけない場合は還付金からそのペナルティー分を減額される。所得税の追加納税があり健康保険非加入ペナルティーがある場合は、そのペナルティーを上乗せして支払いを行う。

低所得層もしくは宗教上の理由などで健康保険に未加入の場合は、例外措置としてForm 8965上において、どの種類の例外措置のために未加入であるかを報告する必要がある。また個人で連邦または州の管轄下にあるHealth Exchangeから健康保険を購入した場合は、Form 1095-Aを受取る必要がある。

 

2.連邦特別控除規定の延長

Tax Increase Prevention Act of 2014 – 2013年で終了予定だった項目が2014年まで延長された。主な項目は、下記の通りである。

1)Schedule Aにおけるstate and local sales tax deduction、mortgage insurance premium deduction
2)Above the lineにおけるHigher education deduction、Teachers’ classroom expense deduction
3)Mortgage debt exclusion (Foreclosure, short sales またはloan modificationを通しての住宅ローン債務免除)
4)IRAから直接Charityへ寄付する場合におけるtax free distribution(最大納税者一人につき$100,000まで)
5)月々最高$250までは、雇用者から提供されるバス代や駐車場料金を収入に含める必要はない。

 

3.Additional Medicare tax(老齢医療保険税)の改訂

Additional Medicare Taxは、2013年から導入されている追加的な老齢医療保険税の徴収である。一定以上の所得者層に対して0.9%のMedicare taxが追加課税される。オバマケアの特徴の一つであり、Form 8959にて計算される。2014年に下記の更新があった。

•W-2 をもらう従業員については、雇用主がAdditional Medicare Taxを源泉徴収する必要がある。
•個人事業主の場合はAdditional Medicare Taxをself-employment taxを計算する際に含めない。
•$250,000(Married joint filing)や$200,000(Single)という金額はインフレーションによる影響を受けない。
•海外に居住するアメリカ国民もAdditional Medicare Taxを支払う義務がある
•従業員はW-4を提出することにより、追加で源泉徴収を雇用主に依頼することができる。

 

4.Same sex marriage (同姓婚)の改訂

連邦レベルでは、filing jointで申告書の提出が認められる。2014年10月10日現在で28州は同姓婚でのfiling jointが認められている。

 

5.ビットコイン

ビットコイン(Bitcoin)とは、低コストの決済方法により急速に普及してきた決済システムである。連邦上ではバーチャル通貨(資産)として扱われる。ビットコインを通して報酬を受取った場合はForm W-2に含められ、所得税、給与税の支払いも必要となる。

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