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ハワイ不動産投資と税務について 2014/11/04

会計税務情報2014年11月号
永野森田会計士事務所

ハワイ不動産投資と税務について

世界的にも不動産投資の盛んなハワイ・オアフ島では、約20年ぶりの巨大開発が始まりつつある。この先15年の間に、ワード・カカアコエリア(アラモアナ ショッピングセンターの東側地帯)だけでも、22軒の高層建築、4,300戸の住宅建設が予定されている。さらには高架鉄道計画もあり、ワイキキエリア、アラモアナエリアも含め、今後更なる発展が予想される。日本人にも馴染みの多いハワイということもあり、日本からの不動産投資は今後も増える兆候がはっきりと見える。そこで、今回は、米国非居住者(個人)が米国不動産投資をする際に生じる税務手続きについて、留意点をまとめた。

1.賃貸収入の報告

米国非居住者が米国内の不動産を賃貸する場合、賃貸収入に対する課税の方法には以下の2つが存在する。

【選択1】 賃貸収入から30%の源泉徴収 (Gross 課税

賃貸収入から30%の源泉徴収することで納税完了
経費の控除は認められない
米国確定申告書提出の必要はない

【選択2】認められる経費を引いた純損益を報告 (Net 課税

米国確定申告書提出の必要が生じる
初年度の確定申告書時に、この選択をするステートメントを添付する

通常、1を選択すると税金の面で不利な状況となるため、2の選択をするケースの方が多い。

2.売却時の報告

米国非居住者が米国にある不動産を売却する場合には、FIRPTA(Foreign Investment in Real Property Tax Act)と呼ばれる米国税法により、 一部の例外を除き、売却価格から源泉徴収がされることとなる(買手が一定額を差し引いて納税)。仮にハワイ州内の物件を売却したとすると、源泉徴収の税率は、連邦所得税で10%ハワイ州所得税で5%(ハワイの州法ではHARPTAと呼ばれる)となる。実際の売却益に対する税金が源泉徴収額より少ない、または少なくなると見込まれる場合、この源泉徴収の回避または還付申請方法は以下となる。

(1) 源泉徴収回避の手続き
Form 8288-B(連邦所得税の場合)を売買が完了する前に提出
(ただし、必ず税務当局から認められるわけではない)

(2) 源泉徴収された後の還付手続き
Form 8288-B(連邦所得税の場合)を源泉徴収額が納税された後に提出

(3) 確定申告と同時に還付手続き
Form 1040-NR (連邦所得税の場合)を翌年6月15日までに提出

なお(1)または(2)を行ったとしても、(3)の確定申告はしなければならない。

3.納税者番号の取得

米国非居住者で、ソーシャル・セキュリティ・ナンバーを持っていない場合は、確定申告のために納税者番号(ITIN:Individual Taxpayer Identification Number)の申請が必要となる。納税者番号の取得には、身分確認のため、パスポートの確認が必要となるが、パスポートの確認方法には以下が存在する。

(1)パスポート原本の送付
(2)日本大使館・領事館でパスポートのコピーに公証を受けたものを送付
(3)日本の米国大使館・領事館でパスポートのコピーに公証を受けたものを送付
(4)米国内のIRS Local Officeへパスポート持参で出向く
(5)IRS Acceptance Agentに公証を依頼する(注1)

上記の(4)以外の方法では、Form W-7、その他必要書類と共に、米国歳入庁(IRS)へ送付し申請することとなる。

以上、ハワイの不動産投資の際に留意すべきポイントをまとめてみた。

注1:弊事務所ハワイオフィスは現在IRS Acceptance Agentとして登録されており、公証可能である。

(注意)本稿は留意点を概説したものであり、必要手続・書類を網羅したものではない。このため、個別の事例の判断には利用しないでいただきたい。具体的な事例に関しては、専門家にアドバイスを仰ぐことをお勧めしたい。

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